フェイクID作りに失敗した16歳の私と友達は、クラブに行けないため、またしても週末を持て余していた。
そんな時、1学年上のイケてる先輩たちに“10セントパーティ”とやらに招待された。
私達は即答で、“行く!行く!”と大興奮!どうやらこのパーティ、高校の中の白人プレッピー系男子(全身をラルフローレンやトミー・ヒルフィガーなどちょい高めのブランドで固めたワル)と、チアリーダー系女子(日本で言うところのギャル系)を始めとする“イケてる白人グループ”が週末、ローカルなビーチでこっそりと開いているものらしい。高校の中でも、“10セントの常連=イケてる証拠”というちょっとした法則が密かに成り立っていた。
ちなみに、何故このパーティが10セントと呼ばれているのか…。それを聞いてしまえば“常連ではないことがバレる=イケてない”となってしまうため、私達は“あぁ、10セントね、知ってる知ってる!”なんて知ったかこいていた。だから、その理由は未だに知らない。(笑)
イケてる人しか知らない10セントの存在を、なんであーたが知ってるの~!?
待ちに待ったフライデーナイト。私達は10セントデビューを飾るために、セクシーなキャミをデニムに合わせ、いつもよりアイライナーを太めに書いて、先輩たちが車で迎えにくるのを待った。ホームステイ先のママには「友達と映画に行って来る♪」なんつって嘘ついて…。
先輩たちの車に乗り込むと、TRICK DADDYがかかってた。ちょっと大きめのボリュームで。
パーティ会場のビーチの近くになると、先輩は突然、車の窓を全開にして、車内のHIPHOPの音量を耳が割れるかと思う位の爆音にした。そう。イカチイ音楽を凄まじい音量で流して注目を集めながら登場するのが、ツウなのだ。(高校生の“ツウ”ね。20代でこれをやるのは寒い。笑)
K-1の選手がリングに上がる時のように、BGMで凄みを利かせながら、私達はパーティに乗り込んだ。ビーチには既に何台も車が止めてあり、その中で一番音量が出る車のスピーカーを使って会場にヒップホップを流していた。そこは、白人ヒップホッパーの集い。みんな新譜に合わせて激しく踊り狂ってた。学校内では黒人も白人も基本的に仲良しだけど、つるむグループや学校外のパーティは別々だったな。
私はアジア人という無所属の形をとって、黒人と白人両方と仲良くしてたんだけどね。
砂浜にヒールが埋まっちゃって踊りにくかった点を除けば、クラブの雰囲気を味わえたことだし大満足!
で、朝の4時、そーっと音を立てない様に気をつけながら家のドアを開けたんだ。するとそこにはとっくに寝ているはずのママが、怖い顔して立ってるじゃない!
「リリーちゃん、10セントはどうだった?(怒)」
“えぇ!なんで?高校の中でもイケてる人しか知らない10セントの存在を、なんであーたが知ってるの~!?あーた、どれだけイケてんだよぉ…?”なんて思いながら、16歳の私は大大パニック!
第4話へ続く・・・
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